理論に基づく決断のためのオッズ理論
前回に引き続きテキサスホールデムの話です.
テキサスホールデムでは,手札が配られた時,3枚のカードが開いた後,4枚目,5枚目のカードが開いた後の計4回で勝負するのか辞めるのか決断を下すタイミングがあります.
この決断を下す時,なんとなくで決断していては損することになりかねません.決断するのは何かしらの理由が必要になります.その決断の際,利益を最大化するための考え方にオッズ理論という考え方があります.
今日は前回の記事で考えた状況をもう少し詳しく見ていきます.最初の状況は1枚目の図です.
- 手札はダイヤが2枚でした.3枚のカードが開かれて,そのうちダイヤが2枚でした.
- 相手がポット(中央にある$:P$とする)の半分(P/2$)をレイズしてきました.現時点では負けていそうですが4,5枚目でダイヤが1枚でも出れば勝てそうです.
この時自分はコール(相手と同じ金額を賭けて4枚目のカードを見る)するべきでしょうか,フォールド(降参)するべきでしょうか?
前回の記事の2倍,4倍の法則を用いて,4, 5枚目が開いた時自分が勝つ勝率を計算します.5枚目までにダイヤが落ちる確率は アウツ9枚なので 9x4=36% です.
つまりこの勝負は3回に1回は勝てそうということがわかります.
次に,自分がコールすることで手に入れることができるかもしれない金額を考えると,今ポットには(元々あった$)+(相手がレイズした$)+(自分がコールする$) = P + P/2 + P/2 = 2Pです.つまりコールする(P/2$賭ける)ことで,その4倍の$が手に入るかもしれない(この場合4倍のことをオッズといいます,オッズは4倍)ということです.
3回に1回勝てる勝負で,勝つことができたら4倍の$が手に入る勝負です.この勝負を無限回行ったら確実に得をするということがわかります.なのでこの場合はコール(相手と同じ金額を賭けて4枚目を見る)が正しい決断となります.(レイズじゃダメなの?って話をすると長くなるからやめます)これがオッズ理論です.
この理論に基づいて決断を下していけば長期的に見て確実に得をすることができます.オッズ理論はテキサスホールデムのみならず,日常における決断(?)や投資などにも役に立つと思います.(ちなみに僕はポーカー以外でこんなことを考えて決断したことはありません)
ちなみに4枚目が開いて,ダイヤが落ちず,再び相手がP/2$レイズしてきた場合
・勝率(5枚目でダイヤが落ちる確率)は 9x2 = 18%
・オッズは (P+P/2+P/2) / ( P/2) = 4倍
5回に1回しか勝てない勝負,勝っても賭け金の4倍しかもらえないため(18% * 4倍 = 72 <- これが100を超えると得する勝負ということ)
フォールドが正解になります.
初心者は5枚目でダイヤが落ちそう!と思ってコールしがちですが,ぐっと堪えてフォールドしていればいつかきっといいことがあります